セーヴルと聞いて、すぐに食器の姿が浮かぶ人はそれほど多くないかもしれません。
マイセンやヘレンドに比べると、日本では少し遠い存在です。
しかし調べてみると、現在でもカップや皿は作られており、日本の楽天市場でも実際の商品を購入できます。
ただし、その価格を見るとやはり普通の食器とは少し違います。
なぜセーヴルはこれほど高価なのか。
その理由をたどると、フランス王室と深く結びついた歴史が見えてきます。
ヴァンセンヌから始まったフランスの磁器
セーヴルの前身は、18世紀にパリ近郊のヴァンセンヌで始まった磁器製作所です。
当時ヨーロッパでは、マイセンがすでに硬質磁器の製造に成功していました。
フランスでも、
「自分たちの磁器を作りたい」
という思いが強くなります。
そこに王室や宮廷の支援が加わっていきました。
ポンパドゥール夫人とセーヴル
セーヴルを語るうえで欠かせない人物の一人が、ルイ15世の寵姫として知られるポンパドゥール夫人です。
彼女は芸術や工芸の強力な支援者でもあり、ヴァンセンヌ磁器製作所を支えました。
その後、製作所はセーヴルへ移転。
そして王室との関係をさらに深めながら、フランスを代表する磁器製作所へ成長していきます。
セーヴルブルーの深皿
写真を見ると、セーヴルの特徴の一つである深い青と金彩の組み合わせがよく分かります。
22万円という価格を見ると、日常使いの食器というより「使える工芸品」という表現の方が近いかもしれません。
「セーヴルブルー」はなぜ特別なのか
セーヴルを見ると、非常に印象的な青がよく使われています。
深い青。
そこに金彩。
白磁部分との強いコントラスト。
セーヴルの魅力は、形だけではなく、色そのものを芸術として扱っているところにもあります。
今回楽天に掲載されている商品でも、その特徴がよく見えます。
「リトロン」という形にも歴史がある
セーヴルには「リトロン」と呼ばれる円筒形に近いカップがあります。
この形を見ると、現代のカップよりも少し直線的です。
しかし、この独特のフォルムこそ18世紀から19世紀のヨーロッパ磁器文化を感じさせます。
デミタスカップ
普通に考えれば非常に高価です。
ただ、「王室文化の中で育った製法や装飾を、現在も職人が作り続けている」と考えると、単なるコーヒーカップとは少し違って見えてきます。
次に、ミルク碗皿として販売されている商品を紹介します。
エミスフェリキ型、セーヴルブルー、金彩装飾のカップ&ソーサーで、掲載価格は41万8,000円です。
同じ「青と金」でも、器の形が変わると雰囲気が大きく変わります。
セーヴルは絵柄だけでなく、フォルムそのものも見どころです。
セーヴルは「高い食器」ではなく「工芸作品」
ここで一度、価格について整理します。
楽天の商品ページでは、成形、地色、絵付け、金彩など、多くの工程に職人の手仕事が使われていることが説明されています。
たとえば深皿の商品では、
- ろくろ成形
- 地色の塗り重ね
- 手描き
- 24K金彩
- 焼成後の磨き
といった工程が紹介されています。
つまり、
「ブランド代で高い」だけではありません。
作り方そのものが、大量生産の食器とは違います。
楽天には、18世紀の彩色地花文様を手描きした軟質磁器のティーカップ&ソーサーがあり、掲載価格は93万5,000円です。
このあたりまで来ると「普段使い」という言葉からはかなり離れます。
しかし、こうした商品を見ることで、セーヴルがなぜ陶磁器メーカーというより「国を代表する工芸文化」として語られるのかが分かります。
そして150万円を超えるセットもある
最後に、象徴的な商品として6点セットを出します。
コーヒーカップ&ソーサーとデザート皿のペア6点セットで、クラウデットブルーの雲模様と24K金彩。掲載価格は154万円です。
154万円。
普通なら驚く価格です。
でもこの記事をここまで読んでくると、「なぜこれほど高価なのか」という見方に少し変わっているかもしれません。
セーヴルは日用品なのか、美術品なのか
これが今回の記事の一番面白い問いです。
形だけを見れば、
カップ。
皿。
ティーセット。
です。
つまり日用品です。
ところが製作方法や価格、歴史を考えると、実態はかなり美術品に近い。
私はセーヴルを、
「使うこともできる美術工芸品」
と考えると分かりやすいと思います。
楽天の商品を見て初めて分かったこと
今回、楽天市場の商品を見て面白かったのは、
セーヴルは博物館の中だけにある磁器ではない
ということです。
もちろん非常に高価です。
それでも、今作られている作品を実際に購入することができます。
商品写真を見るだけでも、
- セーヴルブルー
- 金彩
- リトロン型
- 軟質磁器
- 硬質磁器
- 花文様
など、歴史の記事で出てくる言葉を実物で確認できます。
リンクをクリックしても請求される訳ではありませんので、博物館を見学するような感覚で閲覧するのもいいかと思います。
