マイセンのカップやプレートを裏返したとき、
「双剣マークの近くに傷みたいな線が入っている」
のを見たことはありませんか。
中古品やアンティークを見ていると、
> 「これ、傷が付いているのかな?」
> 「偽物だから線が入っているの?」
と思ってしまうかもしれません。
ところが、この線は単なる傷ではない場合があります。
実はマイセンでは、製品の品質区分を示すために、バックスタンプ付近へ研磨線(グラインドマーク)を入れることがあります。
マイセン公式も、
と説明しています。
今回は、意外と知られていないこの小さな線について見てみたいと思います。
マイセンなら、まず裏側を見る
マイセンといえば、青い2本の剣を交差させた双剣マークが有名です。
このマークは1722年からマイセン磁器を示す印として使われてきました。現在でも、一点一点に専門の職人がコバルトブルーで描いています。
ですからマイセンを見るときには、表の美しい絵付けだけではなく、
底面を見る
という楽しみがあります。
ところが、その双剣マークのそばをよく見ると、線が入っている品があります。
ここで、
「マークが傷ついているから状態が悪い」
と即断してはいけません。
その線自体に意味がある場合があるからです。
研磨線がないものは「1級品」
まず基本となるのが、
研磨線がないもの。
マイセン公式では、これを1st choice(1級品)としています。
つまり、製作所の品質基準を満たして通常の商品として出荷されたものです。
ここでいう品質とは、単に割れていないという意味だけではありません。
マイセンは、
– 素地
– 成形
– 焼成
– 釉薬
– 絵付け
– 金彩
など多くの工程を経て作られます。
マイセン公式では、磁器の成形から絵付け、焼成まで多くの工程が職人によって行われ、品質を支えていると紹介しています。
その基準を満たしたものが、通常の1級品として販売されるわけです。
では「2級品」とは?
マイセン公式によれば、
双剣マークの下に研磨線があるものは2nd choice(2級品)
とされています。
日本では、
「B級品」
などと呼ばれることもありますが、記事では「2級品」と書いた方が正確でしょう。
では、
2級品=壊れている商品
なのでしょうか?。
必ずしもそうではありません。
製造過程で、1級品として出荷する基準から外れたものが2級品として区分されるためです。
例えば見た目のわずかな違いなど、使用そのものには大きな影響がない場合もあります。
だから、
という品が存在しても不思議ではありません。
「線があるから偽物」ではない
ここは特に知っておきたいところです。
中古ショップやネットオークションでマイセンを見ていて、
双剣の近くに線があると、
> 「マークを消そうとした?」
> 「偽物なのでは?」
と思ってしまうかもしれません。
ところが、マイセン自身が品質区分を示すために研磨線を使っています。
つまり、
スクラッチがあること自体は、偽物を意味しません。
むしろ、
なぜその線が入っているのか
を見ることが大切です。
複数の研磨線がある場合は?
ここから少し注意が必要です。
マイセン公式では、
破損品や不良品については、複数の研磨線が見られることがある
と説明しています。
つまり、
線が1本なのか、複数なのか
にも意味があるわけです。
では、2級品は価値がないのか?
これも違います。
2級品だからといって、「マイセンではない」わけではありません。
マイセンで製造された磁器であることと、製作所内での品質区分は別の話です。
ですから、自宅で普段使いする目的なら、
状態と価格に納得できれば2級品も選択肢
になり得ます。
一方、コレクション目的なら話は変わります。
同じシリーズ、同じ年代、同じような状態なら、
1級品か2級品か
が評価や価格に影響する可能性があります。
「アウトレット品」として流通することもある
マイセン公式の中古品買取サービスでは、2級品やマイセンのアウトレットで購入された商品は買取対象外としています。
ここからも、1級品と2級品は製作所自身が明確に区分していることが分かります。
ですから中古品を買うときは、表面だけではなく、底面の写真も確認するのがおすすめです。
ネットで買うなら、底面写真を見たい
楽天市場や中古ショップなどでマイセンを探す場合、
私は商品写真の中に、バックスタンプの写真があるかを確認したいところです。
特に、
– アンティーク
– ヴィンテージ
– 中古品
– 廃番シリーズ
などでは重要です。
写真が掲載されていなければ、
> 「底面の双剣マークを確認できますか?」
と販売店に問い合わせてもよいでしょう。
研磨線だけで値段を判断しない
ただし、線がある=安ければ買いとも言い切れません。
中古品なら、それ以外にも確認するところがあります。
例えば、
– ヒビ
– 欠け
– 金彩の摩耗
– 絵付けの擦れ
– 貫入
– 修復歴
– 使用による傷
などです。
2級品でも非常にきれいな品もあれば、1級品でも長年の使用で傷んでいるものがあります。
つまり、製造時の品質区分と、現在の保存状態は別ということです。
AIに写真を見せて確認することもできる
ここでAIも使えます。
例えば商品ページに底面写真があれば、スクリーンショットを撮って、
> この写真はマイセン磁器の底面です。
> 双剣マーク周辺に研磨線らしきものがあります。
>
> マイセン公式が説明している品質区分をもとに、
>
> ・研磨線に見えるか
> ・何本確認できるか
> ・1級品、2級品などを考えるうえで何を追加確認すべきか
>
> を説明してください。
>
> 写真だけで断定できない場合は推測しないでください。
と相談できます。
大切なのは、AIに真贋や価値を決めさせないこと。
あくまで、「どこを見ればいいか」を教えてもらう使い方です。
双剣マークには、品質以外の記号もある
ちなみにマイセンの底面には、研磨線以外にも、
– 装飾番号
– ペインター番号
– 年号を示す記号
– その他の品質表示
などが付くことがあります。マイセン公式も、双剣マークの周囲のこうした記号によって磁器をより詳しく識別できると説明しています。
ですからバックスタンプを見ると、小さな底面だけでも、意外なほど多くの情報があることが分かります。
表だけ見ていたら気づかない
マイセンの魅力は、どうしても表面に目が行きます。
美しい花絵。
ブルーオニオン。
金彩。
白磁。
でも器をひっくり返すと、製作所がその器をどう評価したのかまで残っていることがあります。
ほんの小さな一本の線です。
知らなければ、「ただの傷かな?」で終わります。
でも意味を知れば、「これは2級品として区分されたものかもしれない」と見方が変わります。
こういう小さな知識が増えるほど、洋食器を見るのが面白くなってきます。
まとめ
マイセンの双剣マーク周辺に見られる線は、単なる傷ではなく、品質区分を示す研磨線である場合があります。
マイセン公式によれば、
| 表示 | 品質区分の目安 |
| 研磨線なし | 1級品 |
| 双剣マーク下に研磨線 | 2級品 |
| 複数の研磨線 | 破損・不良品などの場合あり |
という区分があります。
ですから中古のマイセンを見て、「双剣に線が入っているから偽物だ」と考える必要はありません。
逆に、「双剣があるから一級品だ」とも限りません。
表の絵柄を見る。
裏の双剣を見る。
そして、その周りにある小さな線や数字まで見る。
そこまで見るようになると、一客のカップを見る楽しみもかなり変わってきます。
マイセンは、表だけではなく裏まで面白い磁器です。



